妊娠中|甲状腺・下垂体専門の内分泌内科|大阪市北区JR大阪駅【おおさか内分泌診療所】

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妊娠中

妊娠中|甲状腺・下垂体専門の内分泌内科|大阪市北区JR大阪駅【おおさか内分泌診療所】

妊娠と甲状腺ホルモン

妊娠中

妊娠と甲状腺ホルモンには、様々な関連性があります。当診療所では、妊娠希望(不妊症を含む)、妊娠中(妊婦)、出産後など、患者様の状況に合わせた治療を行っております。

妊娠と甲状腺ホルモンとの関連性について

妊娠中の甲状腺ホルモンは、妊娠に伴うhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)による刺激、エストロゲンの上昇、サイロキシン結合蛋白の上昇などにより変動します。

甲状腺ホルモンは、胎児の発達、発育に重要な役割を担っています。さらに、妊娠初期の甲状腺ホルモンの異常が、流産、早産などに関連することもあります。妊娠初期の甲状腺機能低下に対する甲状腺ホルモン剤の服用は、甲状腺機能を良好に保ち、流産率を下げます。また、妊娠の成立(着床)においても、甲状腺ホルモンが関与していると考えられています。不妊治療(体外受精、顕微授精)を予定している場合は、甲状腺機能の適切な調節が必要です。

妊娠とバセドウ病

バセドウ病は甲状腺ホルモンが上昇する原因となります。甲状腺ホルモンが過剰な状態での妊娠は流産や早産の頻度を高めます。このため、甲状腺ホルモンが安定した状態での妊娠が望ましいです。

バセドウ病はTSHレセプター抗体が甲状腺を刺激することで甲状腺機能が亢進します。妊娠中、TSHレセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺を刺激します。

バセドウ病治療薬として、抗甲状腺薬であるチアマゾール(メルカゾールⓇ)、プロピルチオウラシル(プロパジールⓇ、チウラジールⓇ)、ヨウ化カリウムを使用します。いずれも胎盤を通過して胎児の甲状腺ホルモン分泌を抑制します。妊娠初期はチアマゾール(メルカゾールⓇ)が胎児の形態異常を起こす可能性があります。

妊娠中のバセドウ病は自然によくなることがあります。このため、妊娠中に服薬している抗甲状腺薬がより効果的になります。

胎児の甲状腺は、妊娠20週以降に働き始めます。

当診療所では、以上の観点から、バセドウ病を患っている、以前に患っていた妊婦さんの治療を行っております。バセドウ病をお持ちの妊婦さんが、より安全に妊娠し、出産できるように、甲状腺機能、TSHレセプター抗体、胎児甲状腺エコーを活用して診療しております。

胎児甲状腺超音波(胎児甲状腺エコー)検査

妊娠中、お母さんに甲状腺の病気があると、赤ちゃんの甲状腺に異常が起こる場合があります。赤ちゃんの甲状腺は妊娠20週を過ぎると働き始めるため、超音波(エコー)検査で確認できます。赤ちゃんの甲状腺や発育状態を確認することで、お母さんと赤ちゃんにちょうど良い治療を行うことができます。なお、超音波(エコー)検査はお腹の上から行う経腹超音波検査です。

  • エコー写真は、経腹超音波検査で見える胎児甲状腺です。以下、詳しく解説いたします。
  • 母体に甲状腺疾患がある場合、母体の中にある胎盤を通過する抗体や、母体が内服している抗甲状腺薬の影響を受けて、胎児に甲状腺機能異常を引き起こす可能性があります。
  • 子宮内の胎児は、はじめは母体からの甲状腺ホルモン供給に依存していますが、妊娠20週を過ぎると胎児自身の甲状腺ホルモンの分泌が可能となり、経腹超音波でも胎児の甲状腺を確認できるようになります。
  • 超音波検査では甲状腺周囲径の測定により甲状腺腫大の有無を確認し、さらに胎児の成長の変化や、胎児心拍数・心不全兆候の有無や、骨の成熟異常の有無などを確認します。
  • その結果をふまえ、母体の甲状腺の状態だけでなく、胎児の状態も加味した治療を行います。
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