下垂体機能低下症|甲状腺・下垂体専門の内分泌内科|大阪市北区JR大阪駅【おおさか内分泌診療所】

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下垂体機能低下症

下垂体機能低下症|甲状腺・下垂体専門の内分泌内科|大阪市北区JR大阪駅【おおさか内分泌診療所】

下垂体機能低下症について

下垂体機能低下症

下垂体とは、脳からぶら下がるように存在する小さな内分泌器官で、前葉と後葉の2つの部分からなります。前葉は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、成長ホルモン(GH)、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチン(PRL)を、後葉はバソプレシン(抗利尿ホルモン;ADH)とオキシトシンを分泌します。

下垂体前葉ホルモンは副腎、甲状腺、性腺を刺激し、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどの末梢ホルモン分泌を調節しています。さらに、成長ホルモンやプロラクチンのように直接作用も示します。このため、下垂体前葉ホルモン分泌が障害されると、結果的に分泌されないホルモンの種類により、多彩な症状が現れます。一方、下垂体後葉からはバソプレシンを分泌するため、下垂体後葉ホルモン分泌が障害されると抗利尿ホルモン作用が見られなくなり、尿量を調節できないことから、多尿、多飲、口渇の症状を引き起こします。

下垂体前葉機能低下症とは、下垂体前葉ホルモンの一部またはすべてが何らかの原因で十分に分泌できない状態です。

 

下垂体機能低下症の主な症状

欠乏する下垂体ホルモン 欠乏する末梢ホルモン 出現しやすい症状
ACTH 副腎皮質ホルモン(コルチゾール)

副腎皮質機能低下症(疲れやすい、血圧が低い、食欲がない、痩せる、血糖値が低い、血中ナトリウム値が低い、頭がぼーっとする、意識が無くなる)

TSH 甲状腺ホルモン 甲状腺機能低下症(寒がり、低体温、脱毛、皮膚が乾燥、肌が荒れる、脈が遅い、声が低い、喋り方がゆっくりになる、記憶力・集中力が低下する)
GH IGF-I(インスリン様成長因子-I) 小児:成長障害、低身長、低血糖
成人:体脂肪増加、筋肉減少、脂肪肝、骨粗鬆症、気力・体力の低下
LH, FSH 性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン) 小児:二次性徴が出現しない、思春期遅発症
成人男性:性欲低下、勃起不全、男性不妊
成人女性:無月経、排卵障害、不妊
PRL なし 女性:分娩後の乳汁分泌低下
男性:明らかな症状なし
ADH なし 口渇、多飲、多尿

下垂体機能低下症の主な原因

下垂体近くの腫瘍(下垂体腫瘍、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、ラトケ嚢胞、胚細胞腫など)、炎症(下垂体炎)、手術によるものが原因として多いことが知られています。最近では免疫チェックポイント阻害薬に関連したものも増加しています。

下垂体機能低下症の治療

下垂体ホルモン欠乏が原因となっている症状に対し、主に末梢ホルモンの補充療法を行います。

生命の維持に必要なホルモンは副腎皮質ホルモンと甲状腺ホルモンです。ACTHが欠乏している場合は副腎皮質ホルモン(コルチゾール、薬剤名ヒドロコルチゾン)を、TSHが欠乏している場合は甲状腺ホルモン(T4、薬剤名レボチロキシン)を内服します。

LH, FSH の欠乏に対しては、性ホルモンの内服ないし注射による補充を行います。ただしこれから子供を希望される方と希望されたい方では治療法が異なりますので、専門医に相談されることをお勧めします。

GH が欠乏すると小児では成長障害(低身長)を来すため、成長ホルモンの自己注射による補充療法を行います。成人でも成長ホルモンが欠乏すると代謝異常が生じます。これを、成人成長ホルモン分泌不全症と言い、代謝の改善や生活の質の向上に有益であることから成長ホルモンの補充療法がおこなわれます。ただし、小児期と成人では成長ホルモンの必要量が異なるため、成人では少量の補充療法を行います。

ADH分泌が低下すると尿濃縮能が低下し、多尿、口渇、多飲を引き起こします。デスモプレシンによる補充療法を行います。以前は点鼻で投与していましたが、最近は舌下錠での投与が可能となっています。

なお、原因となっている病気がある場合は、それに対する治療も行います。

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